イタリアのカツレツで皆さんよくご存知なのは、
Cotoletta alla Milanese (ミラノ風カツレツ)でしょうか。
柔らかく綺麗なピンク色した仔牛ロースに小麦粉・卵・細かいパン粉をつけてフライパンに多めのバターで(揚げたと言うよりも)黄金色に焼いたカツレツ。一昔前まではカツレツの上にこの焼いたバターがかかってましたが、レモンが付いてくるように。。。
骨つきだとCostoletta(コストレッタ)・骨がついてないとCotoletta(コトレッタ)と呼びます。仔牛肉1枚にも関わらず柔らかく薄くするために肉を叩くのが一般的、大きさと味わいはお店によって色々。両極端の話をすると。。。
↑ コトレット(骨なし) ↑ コストレット(骨付き)
上のようにOrecchia d'elefante(象の耳)と、形状と巨大さ(お皿からはみ出る大きさ)で呼ばれるものや衣の厚みが肉より厚いものも(サクサクしてるもののレモンは必須)を楽しませてくれるお店もあれば、叩かずに2cmほどの厚みで中心がまだ薄いピンク色の肉汁たっぷりの「スーパー極上美味」なる一品を楽しませてくれるリストランテまで。
↑ 厚みがあってピンクでジューシーな。。。こんな感じ
(。。。脱線しますが、)
後者は(イタリア最古の)ホテル学校時代の悪友が勤務したのでからかいに1989年(商社勤務初年)に訪問したリストランテでの衝撃!「全然違う料理だァ!!!」でした。
美味しさ&ボリュームがイタリア伝統料理だったのを、40年ほど前にフレンチと懐石料理を研究し「目も楽しませる美しく美味しい料理」 Nuova Cucina Italiana (新イタリア料理)の元祖でミシェラン3つ星を獲得した巨匠Gualtielo Marchesi(グアルティエーロ マルケージ:昨年12月26日87歳で永眠)のリストランテがまだミラノ市内(Via Bonvesin de la Riva : Piazza S.Maria del Suffragioの奥)にあった頃の話。
いつ頃生まれた料理 ?
歴史家のPietro Verriが1783年に記したStoria di Milano(ミラノの歴史)を読んで見ると。Capitolo VI (190ページ)に、12世紀豊かになったミラノではSant'Ambrosio教会の大修道院長が3種類の昼食を準備させ、原型と思われるLombolos cum panitoがあったとのこと。
平清盛〜源平合戦〜壇ノ浦の戦い〜鎌倉幕府ごろにはもう食べてたんですよ。
結構古くからあった料理なんですね。。。
カツレツは各地にいろんなバージョンがあるので、近々それぞれご紹介しようと思います。