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イタリア食の歴史 古代ローマ 8

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古代ローマ 7」では、テーブルクロスやナプキンの習慣、食事後に観劇を楽しむ様子をご紹介いたしました。今日はその続きでテーブル作法についても。

 

お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

 

   

 

現代では一般的に認められていないテーブル作法「ゲップ」について、

Cicerone(紀元前106—紀元前43年Marco Tullio Cicerone : マルクス・トウッリウス・キケロ;哲学者で政治家で文筆家。Ad Fam.XI,22) ・ Marziale (紀元38-104年Marco Valerio Marziale  マルテイアリスラテン語詩人 12巻のエピグラム(警句)で知られる。Ep.X,48)) ・ Giovenale(紀元60-127年Decimo Giunio Giovanale : ユウエナリス;風刺詩人 16篇のSatvrae(風刺刺繍)内の「健全なる精神は健全なる身体に宿る」(Orandum est, ut sit means sana in corpone sano)で有名。Sat.III,107)・ PlinioプリニウスPaneg.,49)などそれぞれが「思慮分別のある最後の言葉」などど風刺的に残しているも、好意的なコメントが多い。

Claudio(在位41-54年 Tiberio Claudio Cesare Augusto Germanico ; クラウデイウス第4代ローマ皇帝。Svet.Claud.,32)は会食者に腸のガスを自由に出すことを提唱していた。

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 時に質が低い饗宴に呼ばれることもしばしばで、プリニウスは「ワインが酢のように酸っぱかった。」(Nat.Hist.XII,88)と記した。Varrone(紀元前116年—紀元前27年 マルクス・テレンテイウス・ヴァロ 学者・著作家・政治家。64作品約620巻を記すも「農業論」のみ残っている。Sat.5,24-155)の饗宴では、「トリフ・牡蠣・きのこ・フォアグラなどをご主人様が食べ、他の者は、鶏肉の残り物やパン・痛んだきのこ・腐ったリンゴなど、猿の餌にしかならないものを食べさせた。」とある。

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饗宴や大饗宴は、上層民(名誉ある人々)が品格を捨てMos Maiorum(道徳ある古き良い習慣)を棄て、下層民(Humiliores)も目を剥くような虚栄心と共に振る舞うどんちゃん騒ぎの様子は、社会崩壊の要因となる危険性を帯びていた。

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Catone(紀元前234—紀元前149年 大カトマルクス・ポルキウス・カト・ケンソリウス。共和政ローマ期の清廉で雄弁な政治家で執行官や監察官。)は、この種のゆるみに底知れぬ危険性を感じ、大いに嘆いた。

 

   

 

古代ギリシャのSimposio(現代語「シンポジウム」の語源も当時は親睦会に近い)をどんどん悪化させたこの習慣の改善を唱えたが、ローマ人には全く受け入れなかった。帝政初期(紀元前27年—紀元68年)のクラウデイウス・カリグラ・ネロまでドンドン品位の低下をたどっていった。

 

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